良いタイトルですね~。
われながら(笑)
歯周病治療に名医なし。しかし名患者さんあり。
なんのこっちゃですよね?
実は、これ学会で歯周病のとある講演を聞いていた時に歯周病学会のお偉いさんの方が仰ってた言葉でして。
随分前に聞いた言葉なのですが。
深く私の心に刻まれているのです。
結論から言いますね。
歯周病が完全に治る人は少ないです。当院でも。
他院はもっと少ないでしょう(笑)(きっぱり)
歯周病の治療の根本的な原則を言いますね。
これを理解したヒトは治ります。理解しない人は治りません。シンプルなことです。
1:歯を磨く
2:歯石をとる
それだけかいな(笑)
ウソじゃないです。本当のことです。
たったこの二つの基本原則を理解できないから、多くの医院で歯周病は治らないのです。
治療技術何て二の次です。ほんっとに。
とりわけ、この1番。歯を磨くということに関しては最も重要で、
歯周病治療の中でウエートとして7割くらいを占めるでしょうか。
歯を磨くのは誰ですか?
名医がお家まで主張して磨いてくれるんですか?
自分でしょ?自分で磨きますよね。誰かが磨いてくれるんですか?
要するに、歯周病治療に名医なし。しかし名患者さんありと言える一つの例です。
いやー!この先生スゴイわ~!!歯周病が治せる名医だ~!!
と、ある患者さんが感じたとしましょう。
⇒⇒⇒すると磨かないんですね。(今痛くもないし調子いいからまっいっか!となる)
歯周病が再発したら、またその名医に見せて治してもらえばいいじゃん。
となるわけですね。
患者様には3パターンあります。
1:歯周病治療しても治らない。
2:歯周病治療が一旦は奏功し、そのうちまた再発する。(余計に酷くなる。)
3:歯周病治療が奏功し、その後再発もなく長く安定する。
じゃなんで1と2の治らないパターンが多いのか。
1は、そもそも磨かない。歯医者さんが名医で治してくれると勘違い。
自分で磨かなければ治らない病気です。
2は、歯石取りに来ない。しばらく来ててもそのうち辞めちゃう。そして数年後にもっとひどい状態で来院。
冒頭にも言いましたよね。
歯周病は、
基本は歯を磨いて歯石をとって治す病気だと。
最近ですね。
新型の歯周病の治療器が発売になって、メディアでも取り上げられて話題となりました。
ブルーなんとかとかいうやつね。
(これを書いているのは2024年の11月です。)
まだ医療の学問的にはエビデンスの蓄積もないわけですから、さらなる研究が期待されるシロモノではありますが。
じゃそのブルーなんちゃらで治療してですよ。
仮にですよ。
一旦は患者様の歯周病が良くなったとしましょう。
良くなったからといって、磨かない。歯石をとりにすら来ない。
そうすると良い状態が維持できて3か月間ですね。状態がよくなるのって。
3か月だけ一時的に良くなって何か意味あります?
高血圧がわずか3か月だけ血圧下がりました!それって何か意味のあることなんですかね。
ウチの医院でですね。
初診が16年前!16年前に歯周病を治療。
そこから再発もなく。
きっちり16年間定期的に歯石取りに来院されている患者さんがいらっしゃいます。
まさに名患者さん!!!名医なんてありませんね。
そういう方に限っておかげ様でよくなりましてなんて私に言ってくださるんですが。
私のおかげではありません!!(きっぱり!)
毎日歯を磨いているのは患者様ご自身です。
私が毎夜玄関チャイムを鳴らしてお邪魔して、私が磨いて差し上げたとしたら、私のおかげですが。
16年間も当院に定期的に欠かさず継続するなんて頭が下がるなんてもんじゃーありません。
ご自身の足と意思でご来院いただいているわけです。
まさに名患者様と呼ぶにふさわしい!!
もし歯周病治療に名医があれば。
新しいブルーなんちゃらを使う歯科医師ではなく。
患者様ご自身で磨いて、患者様ご自身で定期的にメンテナンスに足を運ぶ。
このことの重要性を患者様に説くのが上手な歯科医師がいれば。
それが名医と言えるでしょう。
歯周外科をしてくれ。
歯周病の小手術ですよね。
当院だってやりますよ。
「歯周外科をやっても再発するのはなんでなんですか!!!!」
と何度歯科衛生士に質問を投げられたことか!
一旦良くなっても元以上に再発するんですよね。
ここにもし同業者がいらっしゃったら理解できるはず。(このコラムにはたまにいるらしい)
歯周外科という介入をして、3か月後に歯周病が著しく改善し、
例えば1年後に再発している。それの介入に意味はありますか。
若手歯科医師諸君!
歯周外科の手技を学ぶ前に根本的に大事なことがあることを。
もう一度見つめなおしてください。
「歯周病という病気は、患者様が「このDrにかかれば治してもらえる」と思われた瞬間に大失敗です」