当院では、患者様個々にあった、歯を大事にするという治療方針の下、
治療方法をご説明させていただいております。
これは、とっても大事なことです!
とある日。。
ある患者様が初診でいらっしゃいました。
その方、仮名「Aさん」とします。
左下の歯にセラミックを入れて欲しいとのご要望でした。
他院に通院中の患者さまでした。
「料金はおいくらぐらいになりますか?」と。
他の医院さんでも、値段を聞いてこられたそうです。
とりあえず、レントゲンを撮ってみましょう。
と撮った結果。。
重症の歯周病で、グラグラしている。。
その歯にセラミックを入れるのですか?
きっぱりと私はお断りしました。
私には、何故その歯にセラミックの歯を平気で入れましょうと言えるのか解りません!
歯周病で重症であれば、その歯は長くなく、そのうち抜けてしまうかもしれないんですよ!
セラミックって、保険きかないんですよ!!
こうして、歯医者さん不信の方ができるのかと心の中で思いつつ。。
私が提案したのは、
「Aさん、まず歯周病治療を行いましょう!
歯が長く持たないかもしれないので、保険の銀歯でもいいじゃないですか!」
歯周病で根っこを支えている骨が半分以上溶けてる。。
Aさん、別にその歯が痛いわけではありません。
(歯周病は普段はほとんど無症状だからです。)
(神経を抜く治療は終了した段階でした。)
皆様、よく考えてください!
単純に、こっちの歯医者さんの方がセラミック安かったらラッキーだなぁ。
なんて、考える人も少なくありません。
最終的に歯が抜けてしまったら、結局は高い買い物をさせられる結果になりませんか?
でも私から、「歯周病治療から!」
なんて言われてしまうと、治療回数や時間もかかってしまうではありませんか。
しかし、皆様。どちらの説明をして欲しいですか?
患者さん、「銀歯嫌です!」(笑)
さて、どうしましょうか。。
実はAさんには、別のご提案をしましたが。。
本当にAさんのためを思って。。
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とあるBさんが初診でいらっしゃいました。
Bさん、とある医院で歯周病でそのうち歯が抜けますよ。
なんて言われた後にご来院。
私、「自覚症状はありますか?」
Bさん、「ありません。。」
別に患者さんにとっては痛くないんです!!
Bさんの歯茎を診ると。。
中等度以上の歯周病。
年齢は30歳代後半。30歳代で中等度以上の歯周病!!
これは危険です。
「若年性歯周炎」と呼ばれる診断名です。
Bさん、放置すれば、そのうち前歯と一部の奥歯を失いかねない状態。
その昔、「急速進行性歯周炎」とも呼ばれ、進行はとっても急速です!
A.A.菌と呼ばれる、きっつい細菌が関与していることが多く、
何としても治していかなければならない状態でした。
私はとりあえず、
「歯石をとって、徹底的に歯磨きを練習していただきます。
その後、とりあえず麻酔をして歯周ポケットの中の歯石をとっていきましょう。」
Bさん、「前の歯科では、とりあえず歯石を一回とるだけ。その後、歯が抜けるかもしれないと言われただけ。
なぜ前の歯科と治療方針が異なるのですか」と。。
結局Bさんは、歯周病治療だけで5~6回以上もご来院していただくことになりました。
上記の問いには返答に困りましたが。。
「ひょっとしたら、麻酔までして歯茎の掃除をしたら、患者さんは辛い治療になるので、
前の医院さんは、あえてそういうことをしないし伝えもしない医院だったのでしょう」と。
Bさんは、家内の知り合いのご主人さまでしたので、正直に返答しちゃいました。
患者さん、「あそこの歯科を受診したら歯石とり一回で済んだわ♪」
患者さん、「えー私は麻酔して歯石とりなんてされたので、嫌だったわ。何回も通院したし。」
もし、Bさんが歯周病を無症状だからといって、そのまま放置して、
歯が抜けることになったら。。
麻酔して歯石取りすること以上の「辛い治療」を、将来的に受けなければならなかったでしょう。
現在、Bさんの歯周病は劇的に寛解し、安定した状態を保っています。
※全ての方が、歯石取りのために複数回受診したり、麻酔が必要であるという意味ではありあません。
※本当にその治療が必要な方にはご提案します。
痛みだけをとるだけが、本当の治療ではありません。
病気を治し、健康を維持安定させるのも歯科医としての仕事です。
どちらの歯科を選ばれるのかは、貴方次第です。