先生!
歯磨き粉は何がいいですか?
私、「何でもいいですよ。。」
患者さん、「先生!歯周病に効く3000円くらいの歯磨き粉買ったんです!効きますか?」
私、「。。。」
ここまで来ていただいて、読んでいただいた皆様に、感謝の意を込めて、もう一度いいます。
「何でもいいです!何なら、歯磨き粉をつけなくても(笑)」(大人の場合)
歯にこびりついた、歯垢。バイオフィルムという膜に覆われています。
もしアナタが、殺菌成分が入ってるとの謳い文句の歯磨き粉を買ったとします。
バイオフィルムに覆われた内部の細菌に、殺菌成分は浸透しません。
跳ね返されます(笑)
殺菌成分は歯磨きをして浮かせた細菌にたいして、殺菌力を発揮します。
浮かせた細菌は、歯磨き後ウガイをすれば、ほとんどはお口の外にいっちゃうんですが。。
とかなんとか言いながら。
ながせ歯科には、IPMPという殺菌成分の入った歯磨き粉売ってます(爆)
言っておきますけど、買わなくていいですからね!
風呂のバスタブ。
湯あかがつくと。ヌメヌメ~~~。気持ち悪いですよね。ある意味歯の歯垢に似ています。
お風呂洗いのスポンジで、ちょちょっとこすると、ヌメヌメは直ぐ取れますよね。
お風呂洗いのスポンジでこすらずに。。洗剤かけて、シャワーでザーっとながしたら。
汚れ取れますか?? 3000円の洗剤使えばいいですか?
200円や300円程度のお風呂洗剤でよくないですか?
歯医者さんの、95%くらいは(勝手に想像)、
「そんなところにお金使うくらいだったら、毛先の開いた歯ブラシをこまめに交換しようよ。。」
「そんなことより、糸ようじ(フロス)や歯間ブラシをしましょうよ。。」
「激安歯ブラシじゃなくて、少し良い歯ブラシをつかいましょうよ。。」
なんて、思ってます(笑)
歯磨き粉にこだわるくらいだったら、上記にこだわってください!
永瀬の歯磨き粉マニアック講座。
(歯磨き粉のパッケージに成分表記がございます。是非ご覧ください。)
歯磨き粉に入っている、有用な成分。
1:フッ化ナトリウム や ものフルオロリン酸ナトリウム 。→歯を丈夫にするフッ素です。
2001年の調査で、日本で販売している歯磨き粉の80%には上記二つのうちどちらかが配合されいています。
上記の二つ、どちらが有用かは、わかっていません。花王さんの歯磨き粉のように、上記をダブル処方した商品もあります。
ただし、上記の使い分けは、研磨剤中のカルシウムやシリカとの相性があるので使い分けています。
ここまで書けば、化学に覚えのある鋭い方でしたら、解るはず♪
上記の2薬品の、どちらの方が優れている、というのはいまのところ不明です。
歯磨き粉に入っている、全く無意味または、ほぼ無意味な成分。
1:発泡剤
「ラウリル硫酸ナトリウム」という成分がほとんどです。
文字通り、泡がシュワーっとなります。
はっきり申し上げます。
発泡剤を入れているのは、歯磨き粉のメーカーの確信犯です。
磨いても磨き応えのない、全く泡立たない水のような歯磨き粉。→売れない。
発泡剤が入っていると、泡だらけになるので、口をすすぎたくなる。(歯ブラシが早く終わってしまう)+よく磨けた気になる。
界面活性剤の効果としては、少なからず意味は存在するとは思います。
2:研磨剤
歯磨き粉のパッケージの成分表記に「炭酸ナトリウム」や「ケイ素」系のものが表記されていたら、
それが研磨剤です。
歯医者さんの窓口で、販売しているものの多くが低研磨、あるいは無研磨の歯磨き粉です。
市販の歯磨き剤には、研磨剤が入っています。
従来より、研磨剤は歯が削れる原因になるといわれています。
とあるメーカーでは、歯医者さんで売っている歯磨き粉が、低研磨。
薬局で売っているのは研磨剤あり。なぜでしょうか?
(これ以上書くと、また夜道を歩けなくなるので、止めておきます(笑))
歯医者さんの多くは、研磨剤が入ってない歯磨き粉を使用します。
→歯の着色(ステイン)がよく付くんですよ。
しかし、別に付いたっていいじゃないですか?
定期的に歯石取りを受ける際についでに着色を取ってもらえばいいんです。
歯磨き後の口をすすぐ際。。
日本人は、世界的にみて、歯磨き後にめっちゃ口をすすぐ民族らしいです(笑)
お水に困らないめずらしい国であるのも一つに理由でしょう。
歯磨き粉の中に、キッツいミントの味や、発泡剤、研磨剤が大量に入っているので、
お口をよくすすがないと、気持ち悪いでしょう。
イエテボリテクニック。
スウェーデンにイエテボリってとこがあるんです。そこにイエテボリ大学っのがあるんです。
歯磨き後は、約25ccから50ccのお水で一回だけ、すすぎます。
これで十分ってな考え方です。
たしかに、歯から歯垢さえ剥がしておけば十分なんです。あんまりすすがなくても。
大量にすすぐと、歯磨き粉の中に入ってる折角のフッ素が流れちゃうんです!!
フッ素は歯を丈夫にする有効成分なんです!!
ジェルタイプのマイルドな歯磨き粉で歯磨きをしてください。
あんまり泡がたちません。
御猪口(おちょこ)一杯分くらいのお水で、すすいでください。
十分です。
もう一度いいます。
イエテボリテクニック!
覚えてくださいね。
御猪口一杯分のお水ですすぐだけなんて、気持ち悪い!!!
ってな、お方。
もし貴方が、セレブでかつ手間も惜しみません!!節水なんて知りません!!
って人は、フッ素洗口がオススメです。
まず、思いっきり、存分にすすいでください。
(100回すすいだって構いません(笑))
しかし、お口の中にフッ素はもう残ってません。
すすいだ後にさらに、フッ素洗口をするんです。
しかし、粉を水に溶いて。。
フッ素洗口液を作らなければなりません。
フッ素洗口を作る粉も、いちいち買わなければなりません。
面倒です!
どっちも嫌だ?面倒?
もう知りません。
実は、他の方法知ってるんですが、私の方が面倒なので(笑)
ウチの患者様で、直接聞きたい方はお申し出ください。
お伝えします。。
3:歯周病の方向けの歯磨き粉
市販歯磨き粉の中にも、殺菌成分であるIPMP(イソプロピルメチルフェノール)
とある歯磨き粉には、抗炎症作用のある成分等。。
イロイロ有りますね。
じゃ、抗炎症作用があって歯茎が引き締まって、出血が減りました。≠ 歯周病が治る。
これって歯周病が治ったわけではありませんよね。
歯周病の症状を和らげるだけです。
風邪ひいた時の熱さましのお薬のようなものです。
殺菌作用に関しても先述のとおり、歯磨きで浮かせた細菌に対して、殺菌力を発揮するもので、
歯垢の中に潜む細菌を殺菌できるわけではないようです。
歯周病を治療する際の絶対条件は、効果的な「磨き方」とまず歯石取りです。
4;ホワイトニング効果を謳う歯磨き粉
歯の健康上は無意味な成分です。
とある歯磨き粉には、「ポリリン酸配合」とありました。
ポリリン酸には、着色汚れ(ステイン)を減じる効果があるようです。
まずステインに関しては、歯医者さんのお口の中はつき放題です(笑)
歯垢は、虫歯や歯周病の原因になります。
歯石は、歯周病の原因になります。
これらに関しては、必死に取り除きますが、
歯医者さんは、皆研磨成分の少ない、あるいは研磨成分の入ってない歯磨き粉を使用している人がほとんどです。
それらの歯磨き粉は、かえって着色(ステイン)は付きやすくなります。
また「ホワイトニング」という名称については、誤解を招きかねます。
ホワイトニングとは、歯を白くすることですが、歯磨き粉が謳うホワイトニング成分とは、着色をとっているだけです。
つまり「ホワイトニング」ではなく「クリーニング」が正しい言葉の使い方のように思います。
また、通信販売で購入されたホワイトニング成分配合を謳う商品。
薬局で販売している歯磨き粉でポリリン酸配合のものは、安全な濃度を保っているとメーカー営業担当は言ってましたが。。
通信販売の商品で、実際に歯の表面が溶けたケースを診たことがあります。
恐ろしかったのですが、すぐに使用の中断を促し、それ以来3年が経過していますが、
それ以上、歯が溶けることがなかったので安心しています。
昨今、インターネット等の普及により、情報が溢れかえっていますが。。
あまり拘りすぎるのも、意味がないことかもしれません。
本当に拘るべきところを見失っていては本末転倒です。
じゃあ先生~~~!
イオンが出る歯ブラシって良いんですか~~~~!?
はぁ。
もし、貴方が風呂洗うとき、イオンの出るスポンジの方が良いと仰るなら、
どうぞお使いくださいませ(笑)
ライオンさんの「システマ」という歯ブラシはいいですね。
250円から300円くらいするのでしょうか。
安い歯ブラシは100円くらいで売っていますか?
なぜ高いか。 研究開発費、製造にかかる原価、広告宣伝費、利益+販売店さんの利益。などが。。かかりますよね?
このうち研究開発費をかけていない歯ブラシが、ほとんどと言えるかもしれません。
システマは、おそらく歯周ポケットの中のプラークをより効果的に除去するために、
ブラシのナイロンの素材や硬さ、毛の長さ、植毛する本数にいたるまで、研究開発費はかけているようです。
ライオンの歯医者さんで売ってる、「MAXIMA」という歯ブラシも、私はとっても好みです。
こんなところまで、お越しいただきまして、
さらに読んでいただいて、嬉しいです。光栄です。
感謝の意を込めまして、「読んだ!歯ブラシちょうだい!」とスタッフまでお申し出ください。
歯ブラシを一本差し上げます。(1回だけですよ~)