口内炎について、少し。
口内炎には、さまざまなものがあります。
他頁にも少し記載してあります。
多くの方が口内炎だと思っていらっしゃる、お口の中の粘膜の炎症など。
口内炎でないことは、多々あります。
メディアやインターネットでは、歯科では発見できないというようなことも言われていますが。
一概にそうとは言えないと思います。
今までの歯科医師人生の中で、多くの病変に遭遇しました。
ここ数年でも、悪性腫瘍や、前癌状態など。
口内炎は通常、7日~10日くらいで自然治癒します。
お薬を塗るのもアリですが、塗らなくても治癒します。
昨年末も、歯茎に病変を発見し、まず最初に塗り薬を処方し、
10日後にご来院をお願いしました。
10日後にまったく改善が見られないようなら、即検査をしましょうと。
結果改善はなく、即検査をするに至ったのですが前がん状態だったのです。
口内炎が複数回出来て、複数回レーザーで焼いて様子をみるということなんて、通常は行いません。
(実際慢性再発性のアフタといって、原因不明で口内炎を繰り返すケースは存在します。)
ただ、この慢性再発性アフタに関しても、診断上とある別の疾患を考慮にいれて経過を見ていくようなことは、
通常は行います。
しかし、もう少し慎重な診断を求められるケースもしばしば。
当院のケースでも多々あります。
口内炎の訴え→小児科受診で改善せず→ヘルペス性歯肉口内炎
口内炎の訴え→帯状疱疹(2例)
口内炎の訴え→単純疱疹(多々あり)
口内炎の訴え→扁平苔癬
口内炎の訴え→皮膚科受診で改善せず→口腔カンジダ症
無症状・無自覚で歯石取りの受診→歯肉の扁平上皮癌を発見
口内炎の訴え→粘液嚢胞(多々あり)
無症状・無自覚で歯石取りの受診→前がん状態を発見
無症状・無自覚で歯石取りの受診→前がん状態を疑って検査依頼→病理検査の結果前がん状態は確認されず。
無症状・無自覚で虫歯治療の受診→撮影したレントゲンに耳下腺の良性腫瘍を二か所発見。
(すべて当院での例です。)
皆さまの良く聞く病名の麻疹や、手足口病、ヘルパンギーナ等もお口の中に口内炎ができる代表格の病気です。
こういった診断が苦手な歯科医もいれば、診断に長けた歯科医もいるのは事実です。
ひとくくりに歯科の先生って?。。。。と思われるのは残念でなりません。