当院では、科学的根拠に基づいた治療を目指しています。
インターネットで検索してみてください。
「当院では3-MIX法の治療を行っております!」
という謳い文句が沢山でてまいります。
3-MIX法とは、出来るだけ削らずに殺菌してから修復する方法、
また可及的に神経を残すことが出来る最新の治療法という謳い文句です。
では、大学病院の虫歯を詰める等の診療を行っている診療科(歯科保存科)
はその3-MIX法という治療法を実施しているのでしょうか?
答えは、「ノー」です。
当院でも、3-MIX法という治療法は行っておりません。
ICP法という方法は行っております。
日本保存歯科学会の公式見解も同様に言っております。
一応、リンク貼っておきます。「リンク」
歯科開業医。
科学的根拠に基づいた医療(EBMいいます)
この科学的根拠に基づいた医療を行うための勉強を、大学時代、卒業後の歯科医師として修行する期間に習熟した歯科医師は極めてまれです。
そもそも、私が大学時代にも、「科学的根拠に基づいた医療(EBM)」に関する授業や教育がなされていませんでした。
ですので、私もこれから、まだまだ勉強に励まなければなりませんが。。
では、どうしてこのような治療法が広まったのか?
私は大学を卒業して、大学病院で暫く修行した後、大学の客員教授の審美歯科に勤務しました。
先輩歯科医師が、冷蔵庫の中に3-MIXの薬剤を冷やしていました。
「この治療法、いいよ。」と。。。
3-MIX法はメディアでも取り上げられることもあり、最新の治療法として広く紹介されました。
同業者間でも、噂は広まり、「効果大」の治療法として、
科学的な検証があるなしに関わらず、治療法を実践する歯科医師が多くいました。
歯科医院のHPに掲載しても、「あまり削らずに済む」といった謳い文句は、
あまりにもインパクトが大きかったのです。
私は、若い頃は指導していただいた先輩歯科医師の3-MIX法のススメに対しても、「どこ吹く風か。。」
いわゆる言うことを聞かない、全く可愛くない後輩(笑)
先輩、すみませんね。。
科学的検証が十分でない治療。
そのような治療法を患者さんに、実施すべきなのか。
仮にその治療法が上手くいったとしても、その薬剤によるものではない可能性が大きかったからです。
あなたの神経を残すから。。という謳い文句に、不確実なものを患者さんに説明はしたくありません。
先輩や師匠かた言われたことが真実?
その一方で、先人たちが残した、膨大な学問と財産。。
これを、いかに検証して、医療に生かすか、これからの歯科医師にとって重要なことだと考えます。
湿式の絆創膏。
近年、よく見かけるようになりました。
以前は見かけませんでしたよね。
従来は、怪我して病院にいきます。ひどい擦り傷があったとします。
病院に行くと、傷口をしっかり洗ってから消毒をします。
消毒した後、ガーゼを置いて、テープであるいは包帯で固定します。
私も経験があります。
暫くして。。
再度病院を受診します。
ガーゼを剥がすんです。
カサブタがめくれるので、最強に痛い思いをしました。
では、なぜお医者さんがそんなことをしてきたか。。
教科書にかいてあり、研修医の時、学生のときにそうするように学んだからです。
上司にそうするように、教わったからです。
盲目的に先人の行為を信じて、その行為をすることが当然だったからです。
結局、治癒寸前の組織は、ガーゼと一緒にカサブタが剥がされ、
さらに傷口を広げてしまい瘢痕(あとが残る)もより形成しやすい状態が起きていたそうです。
医療人として、治療方法を選択すること。
専門家として、正しい知識を見極る能力を身につけなければなりませんね。
追記:
一部患者さんからの問い合わせがありました。
虫歯治療に対しての、
「ドックスベストセメントによる治療方法」も、一時期流行しました。
上記と同理由で、当院では取り扱いしていません。
ドックスベストセメントが、日本に入ってくる前の今から6年前。
アメリカから、個人輸入で取り寄せて、友人歯科医師に紹介してましたけど(笑)
一応、あるにはあるんですが。。もうしません!
ドックスベストセメントの治療を行っている歯医者さんが、名医と題したTV番組で紹介されていました。
何が名医なのか。
ほんと笑っちゃいました。
歯科医師免許を持ってりゃ誰にでも出来ます。